目標値を売上に設定するデメリット

セールスパーソンや店舗スタッフなど実際に販売をするような業種の会社では、売上目標を作っている会社も多いと思います。

店舗の売上目標やセールスパーソンそれぞれに対する売上目標などやり方はそれぞれ異なるでしょう。

しかし、このような会社で売上目標が達成をしているのに利益が出ないという会社もあります。

何故なのでしょうか?

大切なのは粗利益率

会社の目的は、財務的な面で言うと「純資産を増加させること」です。

純資産を増加させるためには利益を上げなければいけません。

利益を上げるためには、「売上−変動費−固定費=利益」と言う式から考えると変動費と固定費を上回る売上を上げる必要性があります。

「売上−変動費=粗利益」と置き換えることができるため、「粗利益−固定費=利益」となりさらに変換すると「粗利益=固定費+利益」となります。

つまり、会社の運営をするために絶対に必要である固定費と会社の純資産を増加させる利益は粗利益から生まれていることがわかります。

この粗利益を無視して売上目標を追ってしまうと、「売上が上がっているのに利益が上がらない、それどころか固定費もきつい」となってしまいます。

すごく極端な例で言うと、1万円で仕入れをして1万円で販売をすれば売上は1万円計上されます。しかし、粗利益は0円であるため利益どころか固定費の支払いさえできません。

売上目標を達成するために値引きをする、などの手を打つことによってこのような粗利益が出にくい状況を作ってしまっていることも少なくありません。

もっと大切なのがキャッシュフロー

さらにもっと大切なのがキャッシュフローです。

どの経営者も数年会社を経営をすると「結局は一番大事なのは現金」だと言います。

ソフトバンクグループの創業者である孫正義会長も、コロナ禍が悪化した時に現金比率を非常に高く設定しているニュースで報道がされていました。大企業になると現金の金額もかなり大きくなりますが、やはり現金が大事だと言うことの表れでしょう。

売上目標を達成するために利益を犠牲にするのはダメだと言うことはわかりやすいと思います。

しかし、さらに進んでキャッシュフローを悪くするのも良くないとなるとなかなか理解がしにくくなります。

キャッシュフローって何?と言う方はこちらの記事をどうぞ。

売上目標をどのように設定をすると良いのか?

では、売上目標をどのように変えればいいのでしょうか?粗利益で設定するとか、キャッシュフローで設定するとかは現場のお仕事の関係上難しいかもしれません。

販売をするたびに「利益率は・・・」と考えないといけないとなると負担感も大きいでしょう。

そこで活用される一つの方法としては「係数」を使うと言う方法です。

会社の方で売上を成績に計上する上で変換する係数を用意してあげます。

100万円の売上といっても、利益率10%の商品と利益率80%の商品であれば後者を販売した人を評価してあげる仕組みにした方が実態に合っているでしょう。

例えば、この商品は「0.1」をかけて成績計上とするなどの仕組みを作ります。

100万円であれば、100万円×0.1=10万円の実績ということです。

粗利益率を集計するなどの手間はありますし、現場の従業員にしっかり何故このようなことをするのかをしっかり説明をする必要がありますが、より収益性の高い会社を目指すためには検討しても良い内容なのではないでしょうか?

後半は少し具体的な部分にまで踏み込み過ぎてしまいました。当協会としては、売上の重要性だけではなくそこから生まれる利益やキャッシュフローも財務の視点で考えることが必要だと考えています。

動画教材などでこの辺りも学べるように提供をしております。

ぜひ身近な経営者の方にアドバイスをしてあげてください。

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