決算書を読むとはどういうことなのでしょうか?
当協会が決算書を読むということどのように考えているかはこちらの記事でまとめていますので、ぜひお読みいただければと思います。
今回は、決算書からどのような問題点を見つけることができるのかをご案内していきます。
中小企業によくみられる4つについてみていきましょう。
粗利益率が低い
まずは粗利益率が低いという点です。
粗利益は、「売上−変動費」で算出をします。
粗利益は商品やサービスから稼ぎ出す利益のことをいい、この粗利益から会社運営のための固定費を捻出して、残ったものが利益となります。
中小企業では、値付けの甘さ(他社がこのぐらいだから・・・など)や割引(5%ぐらいの割引なら影響がないだろう・・・など)によりこの粗利益が低くなっているケースが少なくありません。
労働分配率が高い
労働分配率とは、粗利益の中の人件費が占める割合のことを言います。
粗利益は、「人件費+その他利益+営業利益」に分けることができます。
人件費は会社にとって非常に大きな費用で、人に頼っている中小企業ほど比率が高くなる傾向があります。
仮に、粗利益の内において人件費が60%を占めると、残りの40%の範囲内で「他の費用と利益」を確保しないといけなくなります。
逆に、人件費をを下げれば利益の比率を大きくすることができるかもしれませんが、50%を切ってくると非常に従業員にとっては劣悪な環境になってしまい、他の会社へ転職をしてしまうかもしれません。
業種や業界によっても異なりますが、50%~60%の水準にするのが良いと言われています。
無駄遣いが多い
前述の人件費ではなく、「その他の費用」についての支出です。
支払家賃、広告宣伝費、交際費などなど・・・
人件費は適正なのに利益が出ていない場合には、このその他の費用で無駄が生じている可能性があります。
例えば、広告宣伝をしているが費用対効果が合っていない(無駄な広告を出しているということ)などが考えられます。
借入返済が大きい
利益は出ているのに資金繰りにいつも追われている会社は、借入金の返済が大きい可能性があります。
「営業利益+減価償却費」の範囲内に借入の返済が収まっているかを見ることによって確認をすることができます。
今回は、中小企業の決算書でよく発見できる問題についてご紹介をしました。
実際には、財務分析を行ってその数字の変化を見ることによって、上記のような問題点を発見していきます。
問題点がわかって初めて解決・改善を進めることができます。
財務分析をうまく活用して中小企業経営者をサポートしていきましょう。
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