資格の説明会を開催した時にある参加者からこのように聞かれたことがあります。
「決算書の勉強がビジネスパーソンとして大事なのは認識しているし、独学で勉強もしている。しかし、参考にする書籍やサイトによって言っていることが違う」
決算書という同じ書類を見ているのになぜこのようなことが起きるのでしょうか?
決算書には複数の目的がある
そもそも決算書は何のために作成をしているのでしょうか?
決算書とは、会社の状況を報告するための書類です。
その報告先は次の5つに分類できます。
1、税務署など確定申告をするため
2、金融機関に融資を依頼するため
3、取引先に経営状況を伝えるため
4、出資者に会社の状況を伝えるため
5、投資家に会社の状況を伝えるため
4と5は同じような内容になりますが、4は中小企業などをイメージしてください。
自分が会社を作る時に知り合いの経営者などに協力をしてもらった時などです。
5は完全な投資家のことで、ベンチャーキャピタルのようなイメージを持っていただければわかりやすいと思います。
決算書の読み方が、参考にする場所によって異なるというのは、このような報告先がどこかによって目的が変わってくるために起こるのです。
金融機関目線・投資家目線の読み方が多い
当協会の関係者にヒアリングをしたところ「2、金融機関に融資を依頼するため」「5、投資家に会社の状況を伝えるため」という視点での読み方が多いという結論になりました。
2は資金繰りやスコアリング、銀行で働いている方がどこを気のするのかという視点で書かれていることが多く、5は投資をするならどこの会社の株が良いのかという投資をする側目線での読み方です。
このように決算書の読み方にしても報告先・目的によって読み方(読み方というよりは読むポイント)が変わってきます。自分が求めている読み方を覚えることができるように参考すべきところも選ぶ必要があります。
経営に活かすための読み方
当協会で提供をしている財務戦略診断士は、対象を中小企業の決算書としています。
視点でいうとコンサルタント目線ということができます。
「その会社の問題点はどこか?」「どのように問題点を発見するのか?」「どのように改善していくのか?」ということを目的としています。
コンサルタントになるための資格ではなく、あなたのお仕事に活かすことができるようにというレベルで作成をしているので、四則演算で基本的には対応することができる内容です。
経営者の方・経営者に接する仕事をされている方はぜひご検討ください。
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