決算書の読み方:財務分析の覚え方

財務分析(経営分析)とは、決算書の数値から指標を計算して一定の解釈をしていくことを言います。

「この数値が悪くなっている。原因は●●だろう。だから■■という改善をしていこう」という具合です。

この財務分析、非常に多くの指標が出てきます。

流動比率・固定比率・売上高営業利益率・棚卸資産回転率など。

最初は「こんなの使いこなせないよ」と思うかもしれません。

しかし、財務分析は経営をする上でも経営のアドバイスをする上でも非常に有効な手段なので活用をお勧めいたします。

■分析とは比較をすること

分析と聞くと難しいと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、分析とは簡単に言うと「比較」をすることを言います。

分析という言葉がぴったりの実験室を思い浮かべてください。

ある薬品AにBを加えたら赤色になったと言う場合には、Bを加える前には赤ではないということとBを加えたら赤になるという前後の結果を比較しています。

この作業を繰り返しながらある一定の結果を導いていきます。

もっと簡単な例でいうと、昨日は気温が10度、今日は20度だとすると昨日と今日の数字の差を比較して「急に気温が上がった」という解釈をすることができます。

分析とはこのように前後の状況を比較していくことを言います。

財務分析も、過去の会社の数値や他社の数値と比較をすることによって分析を行っていきます。

■指標を覚えるには何度も繰り返し計算を

「比較をするって言われてもそもそも指標が多くて使いこなせない」

確かに財務分析の指標は多数あります。

当協会でもテキストで多くの財務分析指標をご案内しております。

これらの指標は最初から全て覚えて使いこなすといのは難しいでしょう。

繰り返し繰り返し指標を計算してみることによって、「このような場合はこの指標が使えそうだ」「この指標の数値が問題点だ」などと使いこなせるようになります。

手を動かして繰り返し練習と実践を繰り返す必要があります。

■数値が異常値を掘り下げよう

財務分析に慣れてくると、問題点の発見はすぐにできるようになります。

数値が悪くなっているという点に着目するのでこの点では困らないでしょう。

では、この問題点を改善する策はどうすればいいのでしょうか?

具体的な改善策を知っているのは、実際にその業務に取り組んでいる経営者・従業員になりますが、そこにたどり着きやすくなるように深掘りをしていく必要性があります。

例えば、営業利益率が落ちているとしましょう。

営業利益率が落ちているといことは、販管費が高くなっているか・売上総利益が落ちている可能性があります。

売上総利益が落ちているといことは、仕入れ価格が上がっているか、販売単価が下がっている可能性があります。

仕入れ価格が上がっているという点に着目すると、ずっと他社と比べることなく同じ業者から言い値で仕入れをしていたなどの事実がわかることがあります。

一つの改善案としては、仕入れ業者をもっと調べて品質に影響がない範囲で仕入れ価格を下げるという方法が出てきます。

簡単な例ですが、掘り下げることによって改善する方法が見えてくるのです。

決算書の分析とか難しい用語を目にすると避けたくなってしまう気持ちはわかります。

しかし、決算書の分析・財務分析は数値を計算して比較をするというシンプルな手法です。

比較をしてその問題をどう解釈するか、どう改善していくかは簡単ではないかもしれませんが、問題点が何か・課題点が何かがわかるのは経営者の方にとって非常に大きなメリットになるのではないでしょうか?

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