「売上があがればなんとかなる!とにかく売上だ!」
普通に考えれば会社にお金を残すためには売上をあげる必要があるとなります。
売上があがり、利益があがれば会社にお金が残る・・・当然の考え方です。
しかし、売上と利益だけをみていても会社にお金は残りません。
キャッシュフローをしっかり意識することが大事なのです。
■会社のお金の流れを理解する
会社にお金がない、いつまでたっても資金繰りが厳しいということで、やみくもに売上の拡大に走る、そして結果的にさらに資金繰りが厳しくなるということが起こります。
何故なのでしょうか?
業種にもよりますが、会社は先にお金を出します。
商品を仕入れて、在庫として持ち、販売して、お金を回収して、また仕入れをして・・・という繰り返しによりビジネスは拡大をしていきます。
ここで大事なのが「販売して→お金の回収をして」という流れの部分です。
ほとんどの会社が掛けで取引をします。
仕入れであれば「後でお金を払います」という取引をし、販売であれば「お代は後からいただきます」という取引です。
見落としがちなのがほとんどの会社では支払いが先になるということです。
100円で仕入れて、1,000円で売ると900円儲かります。
しかし、仕入れ費用は1ヶ月後に支払い、販売代金は3ヶ月後に受け取るとなると2ヶ月近くタイムラグができてしまいます。
この期間にもどんどん仕入れはしていきますし、拡大しているのであれば仕入額も大きくなっていきます。
この流れが、売上もあがり拡大もしているのに、資金繰りがより一層厳しくなる仕組みです。
■お金を支払う「期間」、回収する「期間」を改善する
この資金繰りに対応するために銀行から短期借り入れをして対応をするのが多いと思います。
しかし、根本的な解決にはなりません。
この資金繰りの厳しさを引き起こしているのはお金の量ではなく「期間」です。
期間が問題なのであれば、この期間を変えることによって問題は改善に向かうはずです。
先ほどの例で見てみましょう。
100円で仕入れて、1,000円で売ると900円儲け、仕入れ費用は1ヶ月後に支払い、販売代金は3ヶ月後に受け取るという例です。
この例で、仕入れ費用を2ヶ月後に支払う、販売代金を現金ですぐに回収するとどうなるでしょうか?
在庫として置く期間にもよりますが、仕入れ費用を支払う前に販売の代金が入ってきます。
この流れがどんどん繰り返されていくと、改善前の逆の状態となり使えるお金がどんどん増えていくことになります。
この期間をうまく利用している会社として、パソコンの直販モデルを始めたDELLやECサイト最大手のAmazonなどをあげることができます。
先にお金が入ってくるので、投資にお金を回すことができ、さらにお金が入ってくるという流れを作ることができるのですから会社が成長するのは当然と言えるでしょう。
お金がないのは売上や利益のせいだけではありません。キャッシュフローも合わせて管理をしていくと違う景色が見えるのではないでしょうか?
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