「簿記の方がいいのではないですか?」
当協会の資格のご案内をするとこのように言われることがあります。
確かに簿記だと決算書の基本が身につくように感じますし、税理士や公認会計士ほどハードルは高くないので受けやすいというのもあるでしょう。
しかし、簿記を学んでも決算書を読むのは難しいでしょう。
■簿記は決算書を作るための知識
簿記は決算書の基礎であることは間違いありませんが、決算書を作るための基礎知識です。
当協会の関係者も簿記を取得している人間は非常に多いです。
しかし、簿記を学んでも決算書は読めるようにはなりません(一部に知識の応用スキルが高く簿記を学んで決算書を読めるようになったという人はいるかもしれません)。
簿記は決算書を作るためのものであり、決算書を読むためのものではないからです。
■学ばないといけないのはどのような知識なのか?
もしあなたが決算書を作る仕事や仕訳を覚えないといけないような仕事であれば簿記を学ぶべきでしょう。
しかし、出来上がった決算書を見てアドバイスをするなど今の自分の仕事に活かすということであれば適していないかもしれません。
あなたが法人向けのサービスや商品を提供していて、それらの提供に活用するために知識を身に付けたいということであれば決算書の作り方ではなく、決算書の読み方を学ぶ必要があるのではないでしょうか?
■でも簿記についても学んだほうが良い
前述と矛盾するようですが、決算書の理解を深めるためには簿記の知識があった方が良いでしょう。
どのような流れで決算書が出来上がっていくのかを知っておくことは重要です。
また試算表や決算仕訳などの用語も知っておいた方が全体的な流れを理解する上でもよいでしょう。
しかし、決算書を読んで仕事に活かすのであれば読み方から学んで必要に応じて追加で簿記も学ぶというスタイルの方が向いているでしょう。
人によってどの順番が良いかは異なりますが、決算書の知識はすぐには身につかないため早めに動きだすことをお勧めいたします。
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