決算書を読むとはどういうことなのか?

「決算書を読む」

普通に使われている言葉ですが具体的に何をすれば読めると言えるのでしょうか?

当協会では、決算書を見てその会社の良いところ悪いところ(問題点・改善点)を把握・評価できることを決算書を読めている状態だと考えています。

良い点としては
・自己資本が高い
・利益の蓄積ができている
・お金が効率的に使えている
など

悪い点としては
・他社より人件費が高い
・商品の魅力が落ちて利益率が下がっている
・無駄な固定費が多い
など

では、これらを把握する(決算書を読む)過程を見ていきましょう。

■決算書を読むを体感してみよう

実際の決算書(損益計算書)の例を見て、この決算書を提示している会社の経営者から「うちの会社はどこに課題や問題があるのでしょうか?評価をしていただけますか?」という聞かれている場面を想像してください。

損益計算書のみを単純化したものです。

単位などは気にせずこの会社の損益計算書を見てどの様な評価できるか考えてみましょう。

■決算書を図形に置き換えてみよう

いかがでしょうか?

おそらく多くの方が「意味はわかるけど評価ができない」となるのではないでしょうか?

赤字の会社であれば課題や問題が見つけやすいですが、上記の内容の決算書であれば何を言ったらいいのかわからないとなる可能性があります。

さらに損益計算書は利益が5つ記載があり、「どの利益を見れば良いの?」となるため、視覚化すると見やすくなります。

この様に視覚化・図形化してみましょう。

作り方についての詳細は記載しませんが、変動費と固定費をそれぞれ売上原価と販管費と同じとして作成をしています。実際には販管費の中にも変動費は含まれているためここまで単純には作成できない可能性があるので注意をしましょう。

この様に視覚化・図形化・見える化することによってどうすれば営業利益が上がるのか、どうすれば粗利益が上がるのかが把握しやすくなったと思います。

■決算書を過去の決算書とと比較してみよう

前述の段階では、見やすくなっただけでまだ決算書について何かを言うことはできません。

つまり、「決算書を読む」という行為ができていないということになります。

決算書は1期分だけでは、読むことが難しいため比較をする必要性があります。

過去の決算書と並べてみましょう。

左側が過去の決算書、右側が現在の決算書です。

比較をすることによって初めてこの会社の評価ができるのではないでしょうか?

「売上は減少しているが、費用を削減できているため、営業利益が出る会社になっている」ということが言えます。

■決算書をさらに業界平均値・競合他社と比較してみよう

さらに比較をしていきましょう。

経営分析をして指標を把握し、競合他社と比較をしていきます。

ここでは、簡単な指標だけ加えてみましょう。

指標を記載し競合他社と比較をすることによってもっと評価ができるのではないでしょうか?

「費用の削減を進めたことによって、利益がしっかり出る会社に変わった。他社と比較しても収益率が高い。」ということがわかります。

実際にはもっと細かな点まで比較を行い、比較をしていきます。

■決算書を読むとは比較をすること

ようやく決算書を読むということがどういうことなのかおわかりいただけたのではないでしょうか?

決算書を1期分だけみてすごいことをアドバイスできる超一流の人もいらっしゃると思います。

しかし、仕事に活かすだけであればこれらの人たちの様な高度な知識は必要がありません。

決算書を読むとは、このように比較をすることによってその決算書の評価をすることを言います。

決して難しくて手が出ないという代物ではありません。

難しくはないですが、しっかりと勉強をする必要性があるのは事実です。

決算書の読み方を身につけてよりよい人材になることを目指していきましょう。

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