「貸借対照表は読み方がわからない。そもそも損益計算書の方が大事なのでは?」
損益計算書は貸借対照表に比べて読みやすい上に、売上や利益など経営者の方が大事にしている項目が記載されているのでこのような意見を言われることがあります。
しかし、貸借対照表は損益計算書と同じく重要です。どちらが重要ということはなく、キャッシュフロー計算書を合わせた財務三表は全て大事です。
貸借対照表がなぜ大事なのかを考えていきましょう。
■個人の例で考えてみましょう
いきなり貸借対照表の話をされても難しいと思いますので、個人の例で考えていきましょう。
40代の男性と30代の女性に登場をしていただきます。
このお二人のどちらが家計の状態としては良いと言えるか考えてみましょう。
それぞれの年収は以下の通りです。
40代男性 | 30代女性 |
年収1,500万円 | 年収500万円 |
どちらが良い家計でしょうか?
この情報だけではわからないと思ったのではないでしょうか?
年収というのは法人でいうと売上に相当します。
「売上が●●億円もあるなんて!!いい会社だ!!」
世の中ではこのように判断をして中小企業に提案をする方が少なくはありません。
では、次のような情報が追加されたらどうでしょうか?
40代男性 | 30代女性 |
年収1,500万円 | 年収500万円 |
資産:現金200万円、家1億円、車1,000万円 | 資産:現金1,000万円 |
負債:1億円 | 負債:0 |
おそらく30代女性の方が良い家計だと判断するのではないでしょうか?
資産や負債の情報は、貸借対照表に記載がされています。
このように財務の状況も加味して判断をしていかないと誤った対応をしてしまう可能性があるのです。
■売上や利益は純資産を増やすため
上記では、少し回りくどく貸借対照表の重要性を説明しました。
しかし、もっと簡単に貸借対照表の重要性を理解することができます。
売上や利益は何のためにあげる必要があるのか・・・を考えるとわかってきます。
もちろんビジョンや理念を実現するためということも大事ですが、ここでは財務的に考えてみましょう。
財務で考えると、「会社の純資産を増加させるため」ということが出来ます。
もう少し簡単にいうと「儲けるため」となり、この儲けがあるからビジョンや理念の実現に近づくことができるのです。
純資産は、貸借対照表に記載されています。この純資産を見ずに目標設定や経営判断はできないのではないでしょうか。
損益計算書だけではなく貸借対照表、キャッシュフローについてもしっかり学んで、お仕事に活かせるようにしましょう。
コメント